キリム

ガラタバザールでは、ご紹介するキリムすべてを一枚一枚撮影しご紹介しています。すべて手織りの一点もの。1000枚を超えるキリムから、きっとお気に入りの一枚が見つかります。

時代を織り込む : 年号とサインが語る手織りラグ

目次

年号のはいったキリムを一挙にご紹介!

1986年双子のエシュメキリム

21008 エシュメ オールドキリム

エシュメ オールドキリム 1986年(21008)

オールドキリム エシュメ 1986年

オールドキリム エシュメ 1986年(23794)


そっくりな2枚のエシュメキリムには、どちらも1986年の年号が織り込まれています。
当店の商品番号で2700番も開きがあるこの2枚は、最初の一枚を仕入れてからおよそ2年後にもう一枚を買い付けています。仕入れ先の絨毯屋さんで2枚別々に保管されていたのでしょう。同じ家庭で織られた2枚が、一度は別々になって、東京のガラタバザールでまた2枚がそろったということですね。不思議なめぐりあわせです。

アラビア文字で織り込まれた1349の文字

カルス地方のオールドキリム 1349の文字

カルス地方のオールドキリム 1349の文字(14675)

年号のはいったキリム

ほどよく色あせた暖色系の色使いが美しい大型のキリムです。向かって右下の縁に、アラビア文字で1349と年と、ヒジュラ歴(イスラム歴)で年号が織り込まれています。西暦にすると1930年ですから、かなり古い時代に織られたキリムということになります。
※商品在庫はお問合せください。

裏側から織り込まれた954の文字

チョルム オールドキリム 1954の文字

チョルム オールドキリム 1954の文字(11367)


チョルム オールドキリム 1954年

4mを超える優雅なチョルム地方のキリムです。中央に名前と年号がはいっているのですが、裏側から織ったから間違えちゃった?ように見えますね。
※こちらのキリムは販売済みになりました。

年号が読み取れず惜しい、カッパドキア地方のキリム

オールドキリム カッパドキア地方

オールドキリム カッパドキア地方(23768)



年号の4桁目が入るスペースがなくなってしまったようで、3桁しか織られていないため、1970年代であることだけがわかります。9と7の間に少しスペースがあるのは、上から飛び出している▽をよけるためで、そうしたら右側のモチーフとの間に4桁目の数字が入らなくなってしまったのですね。織り手もなかなか思い描いているように織りあがらないこともあったのでしょう。

1939年 アルメニアのオールドキリム

アルメニア オールドキリム 1939年

アルメニア オールドキリム 1939年


アルメニア オールドキリム 1939年
トルコ東北部、アルメニアと国境を面する地域から出たキリムです。何かの記念に織られたものか「1934年」と織り込まれています。(最後の文字はアルメニア文字)。34年といういとトルコ共和国建国直後ですね。メダリオンモチーフの中にも花、黒い額縁ボーダーにも花と葉が連なり、幾何学モチーフで表現されるトルコキリムとは、違った趣のデザインです。複雑な民族地図のコーカサス地方ならではのデザインのキリムです。

エルズルム 緑のミフラープ 1945年

エルズルム オールドキリム 1945年

エルズルム オールドキリム 1945年(19453)


エルズルムキリム
絵本を開いたような、左右に分かれた2つのミフラープ。緑の三角屋根の中には、赤紫で生命の木が織り込まれています。左側には、2-4-1945の年号、右側にはFAHRIとおそらくファミリーネームが織り込まれています。敷物としてのキリムではなく、壁を飾るためのタペストリーとして織られた記念のキリムのようです。

1967年 ビルギン家の赤いラグ

チャル地方のラグ 1967年(hal2276)

チャル地方のラグ 1967年(hal2276)


チャル地方のラグ 1967年(hal2276)
こちらはパイル織りの絨毯です。1967年と年号が織り込まれていて、50年以上が経過していることがわかります。記念に織った家族な大切なラグで、まったく使わずに長い間大切に保管してあったのでしょう。日焼けして色褪せやすい、キミドリやムラサキが織られた当時の色に近いままきれいに残っています。奇抜な色とデザインのように見えますが、商業的にじゅうたんが織られるようになる以前に、どの家庭でも織られていたじゅうたんの姿を知ることのできる一枚です。

ヤストゥクに織り込まれた1969の文字

チャル地方のヤストゥク(hal2353)

チャル地方のヤストゥク(hal2353)


チャル地方のヴィンテージラグ ヤストゥク(hal2353)
一枚の小さなヤストゥクに1969の文字が4か所も織り込まれている珍しい一枚。外側の白いラインとも合わさって、年号が渦巻きのような模様にも見えてきます。織っているときに、デザインの一部っぽくしようと意識して織ったのでしょうか。ピンクとグリーンもレトロな雰囲気で、このユニークなデザインにぴったりです。

東部ワン地方のチフカナットキリム 1989年

オールドキリム Van 1989年(20516)

オールドキリム Van 1989年(20516)


オールドキリム Van 1989年(20516)
横幅の広い大型のチフカナットキリムです。ボーダー部分に1989年と年号が織り込まれ、販売目的ではない家庭で織られたキリムとしては、比較的あとの時代のキリムです。1990年代に入ると、販売目的ではないキリムはほとんど家庭で織られなくなっていますので、これだけの大作が1989年に織られていたということは希少であるといえるでしょう。
※このキリムは販売済みになりました。

2004年 21世紀にも年号のキリム

カイセリキリム2004年

カイセリキリム2004年(23376)


カイセリキリム2004年
解説のほうでもご紹介しました、2004年のキリムです。向かって右上の隅に年号が織り込まれています。こちらのキリムは、商業目的で織られたものかははっきりわかりません。ただ、使われている色を現在商業ベースで織られているカイセリ産のキリムと比べると雰囲気がかなり違っていて、赤と黒の色使いは1950-60年代のカイセリキリムのスタイルなのです。このことから推測すると、普段は仕事として販売するキリムを織っている方が、何かの記念として家族の為に織ったキリムだろうと思います。それにしては、ずいぶん早く手放してしまったことになりますね。もしかして、経済的な危機があって売ってしまったのかな、などと考えると少し切ない気持ちがします。

次のページでは、文字入りのキリムとラグをご紹介!

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